第三に、夫婦のつり合いがとれていないと、夫婦はお互いに批判し合うか、それとも夫婦各自に別点の悩界をもってそのなかへもぐりこんで暮すか、そのどっちかになりそうです。夫は共産主義者、妻は自由主義者。夫は貯金主義者、妻は浪費主義者。夫は歴史派、妻は未来派。まあ、いってみればこんなふうにふたりが別々の考えかたをもっていれば、初めのうちはいやおうなしにお互いがお互いを批判することになりましょう。ところが、批判をすればするほど、貯金主義者はいっそう貯金第一になり、浪費家はいっそう浪費家になるかもしれません。そしてあげくのはては、あの人はあの人なんだ、私は私なんだと、お互いに自分だけの世界をつくって、その中にとじこもり、ふたりの間には目に見えぬ高い障壁がきずかれることになりましよう。

ところで夫婦のふつり合い、結婚したてにはさほど気にならなかったふつり合いが、年ごとにだんだんはっきりしてくるし、またふつり合いの度合いが激しくなってくるのは、なんといっても年齢のふつり合いかと思います。たとえば、二十歳の花嫁と四十歳の花婿とが結婚したぱあいを考えてください。この年齢差についてまわる、ものの考え方、見方の相違は、年ごとにひどくなってゆくように思われます。ふたりは、だんだん「仲間』であるという意識からずれてゆくのじやないかと思います。そして初めのうちはふつり合いが気にならず、だんだんふつり合いが気になってゆくというのは、だんだん夫婦として不幸になってゆくことではないでしょうか。素敵な結婚相手を、見つけても結婚後に問題は発生した場合、ここに書いてあるように意外と改善に手間がかかります。気を付けましょう。


参考:
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